「世界で一番、何もない首都」 そんな風に呼ばれることもあるラオスの首都、ビエンチャン。
タイの隣に位置し、メコン川を挟んで独自の文化を育んできた国、ラオス。
最近ではアプリでタクシーを呼べるほど便利になったビエンチャンですが、私が2013年に訪れた当時は、さらに時間がゆっくりと止まったような、素朴な魅力に溢れていました。
今回は、当時の貴重な写真とともに、今のラオスにも通じる「ビエンチャン流・スローライフの楽しみ方」をお届けします。
目次
旅のプロローグ:ピンクの「鳥」が運ぶ異国の風
ラオスへの旅は、隣国タイから始まります。
バンコクの喧騒を離れ、パステルピンクが目を引くノックエア(Nok Air)の機体に歩いて搭乗。
ノックエアはタイのLCCなんですけど、名前の「ノック」はタイ語で「鳥」っていう意味なんです。
その名の通り、機体の先っぽに可愛いくちばしが描いてあって、まるごと一羽の鳥みたいに見えるんです。
2013年当時、空港にこのカラフルな鳥たちが並んでいるのを見ると、それだけで「旅に来たなぁ」ってワクワクしたものです。
今でこそスマホ一つで何でもスマートに移動できる時代になりましたけど、当時はもっと手作り感があるというか、どこか素朴な感じが残っていました。
街の主役は、色鮮やかな「トゥクトゥク」
ビエンチャンの街に降り立って、真っ先に「ラオスに来た!」と実感させてくれるのが、この色鮮やかなトゥクトゥクたちです。
見てください、このレトロで愛嬌のある姿!
タイのトゥクトゥクはシュッとした3輪バイクのような形が多いんですけど、ラオスのものは後ろにしっかりとした対面式の座席がついている、ちょっと無骨でワイルドなスタイルなんです。
2013年当時は、これが現役バリバリの最新モデル(?)だったのかもしれません。
手書きっぽいカラフルな装飾や、使い込まれた鉄の質感が、なんともいえない「旅の風情」を醸し出していますよね。
実際に乗り込んで走り出すと、視界はこんな感じ!
窓がないから、ビエンチャンの街の匂いや熱気がダイレクトに伝わってくるんです。
最近はラオスでもタクシーアプリで車を呼べるようになって、すごく便利になっています。
でも、こうやってガタガタと揺られながら、隣を走るバイクのおじさんと目が合ったり、道端の屋台から漂ってくる香ばしい匂いをおかずに移動したり。
そんな「ちょっと不便で、最高に贅沢な時間」は、やっぱりトゥクトゥクならではの特等席だなって思うんです。
メコン川沿いで感じる、平和な「国境」の姿
ビエンチャンの中心部を南に向かってのんびり歩いていくと、目の前にパッと大きなメコン川が姿を現します。
ここはただの川辺じゃなくて、実は川の向こう側はもうタイという「国境の場所」なんです。
河川敷の広場に行くと、青い空にラオスの国旗が誇らしげになびいていて、すごく気持ちがいいです。
2013年当時は、夕方になるとどこからともなく地元の人が集まってきて、川沿いの屋台で買ったちょっとしたお菓子をつまみながら、みんなで沈む夕日を眺めていました。
今はないとバザールが開催されていて、活気あふれる場所になっています。
ふと対岸に目を向けると、タイ側の街の建物や灯りが見えるんです。
「あそこはもう別の国なんだな」って不思議な感じがしますよね。
普通「国境」っていうと、なんだかピリピリした厳しい場所をイメージしちゃいますけど、ここではそんな険しさはこれっぽっちも感じません。
屋台で乾杯!ラオスの夜は「ビアラオ」から
ビエンチャンの夜を語る上で欠かせないのが、メコン川沿いや路地裏に現れる活気ある屋外レストランです。
日が落ちて心地よい涼風が吹き抜ける頃、街のあちこちにテントが張られ、ローカルな宴が始まります。
東南アジアらしい赤いプラスチックの椅子が並び、裸電球の暖かい光がテーブルを照らす。
そんな気取らない空間での主役は、ラオスが世界に誇る名産ビール「ビアラオ(Beerlao)」です。
ビアラオは、原料にラオス産の上質な米を使用しているのが特徴で、独特の甘みとスッキリとした喉越しが楽しめます。
モンドセレクションで金賞を受賞するなど国際的な評価も高く、旅人の間では「東南アジアで最も美味しいビールの一つ」として知られています。
現地流の飲み方は、大きめのグラスにたっぷりと「氷」を入れて楽しむスタイル。
2013年当時、ぬるい夜風を感じながら、キンキンに冷えたビアラオを喉に流し込む時間は、まさに至福のひとときでした。
隣のテーブルから聞こえてくる地元の人たちの談笑や、どこからともなく漂ってくる料理の香ばしい匂い。
こうした飾らない日常に溶け込む体験は、どんな高級ホテルのディナーよりも、ラオスという国の素顔を深く心に刻んでくれるはずです。
まとめ:あの頃から変わらない「ラオスらしさ」
2013年のビエンチャンは、現在に比べると公共交通機関やデジタルインフラも未発達で、どこか不便さが残る静かな街でした。
しかし、当時の写真を見返して改めて気づかされるのは、人々の柔らかな表情や街全体を包み込む穏やかな空気感です。
こうしたラオスの本質的な魅力は、時代が移り変わっても大切に受け継がれています。
近年のラオスは、外資系の高級ホテルが進出し、スマートフォンのタクシー配車アプリでスムーズに移動ができるようになるなど、急速に近代化が進みました。
それでも、この国の根底に流れる「急がない、飾らない、微笑みを忘れない」という精神が変わることはありません。
効率やスピードを重視する現代の旅において、ビエンチャンが教えてくれるのは「時間を贅沢に使う」という本当の豊かさです。
観光名所を効率よく巡る旅も素敵ですが、時には現地の人々と同じように、流れる雲やメコン川のゆったりとした動きに身を任せてみてはいかがでしょうか。
2013年のあの頃から変わらない、優しく包み込んでくれるような「ラオスらしさ」が、今も変わらず旅人を温かく迎えてくれます。






