「小江戸」と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは埼玉県の川越かもしれません。
しかし、千葉県香取市にある「佐原(さわら)」もまた、江戸の風情を今に伝える素晴らしい場所であることをご存知でしょうか?
かつて利根川の水運で「江戸優り(えどまさり)」と称されるほど繁栄したこの町には、川越とはまた一味違う、水郷の町ならではの情緒あふれる景色が広がっています。
柳が揺れる運河沿いの街並み、日本地図の父・伊能忠敬が愛した風景、そして格式高い香取神宮の静寂。
今回は、実際に佐原を歩いて見つけたその魅力を、写真とともに徹底レポートします。人混みを離れて、ゆったりとした時間を過ごしたい週末旅の参考に、ぜひ最後までご覧ください。

目次
小江戸・佐原ってどんな場所?
佐原の最大の特徴は、関東で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されたという点にあります。
よく「小江戸」として川越と比較されますが、大きな違いはその成り立ちです。
川越が「城下町」として発展したのに対し、ここ佐原は利根川の水運を活かした「商人の町」として栄えました。
そのため、豪華な城郭はありませんが、人々の生活に根ざした力強い商家のエネルギーが、今も町全体に息づいています。
特に、小野川沿いを中心に形成された「水郷(すいごう)」の景観は圧巻です。
川面に柳が揺れ、船が物資を運んでいた当時の面影を残す運河は、まるで絵画のような静寂を湛えています。

建物ひとつひとつに目を向けると、伝統的な「土蔵造り」や「切妻造り」の町家が軒を連ねており、中には今も現役で商売を続けている老舗も少なくありません。
単なる「保存された展示品」ではなく、「今も歴史が続いている町」であること。
それが、佐原を歩いていて感じる、独特の温かみの理由なのかもしれません。
散策のハイライト:運河沿いと伊能忠敬ゆかりの地
佐原の街歩きで、絶対に外せないの「小野川」沿いの散策と、この地が生んだ偉人、「伊能忠敬(いのうただたか)」の足跡を辿ることです。
町の中心を流れる小野川沿いは、最も佐原らしい景色に出会える場所。
川沿いの道を歩いていると、都会の喧騒を忘れさせてくれるような穏やかな時間が流れています。

特筆すべきは、水辺で羽を休める生き物たちとの出会いです。
運河を悠々と泳ぐ白鳥の姿は、水郷の風景にさらなる彩りを添えてくれます。

日本地図の父、伊能忠敬の足跡を辿る
川沿いを進むと見えてくるのが、日本で初めて正確な実測地図を作った伊能忠敬の旧宅です。

驚くべきは、忠敬が本格的に天文学や測量を学び、日本一周の旅に出たのは50代になってからだということ。
「人生に遅すぎることはない」という彼の情熱が芽生えたこの場所を訪れると、背筋が伸びるような、不思議なパワーをもらえるはずです。
旧宅の向かいには、さらに詳しく彼の功績を知ることができる「伊能忠敬記念館」もあり、歴史ファンならずとも必見のスポットです。
伊能忠敬記念館は入館料が500円かかりますが、行く価値があります!
とても素晴らしかったです。
路地裏で見つけた『レトロ可愛い』佐原
佐原の魅力は、ガイドブックに載っている歴史建造物だけではありません。
一歩路地に入ったり、商家の軒先に目を向けたりすると、昭和の時代にタイムスリップしたかのような「ノスタルジックな宝探し」を楽しむことができます。


現代の広告にはない、温かみのある書体や少し錆びついた質感が、木造の建物に見事に調和しています。
こうした「生活の跡」が大切に残されているのも、佐原が単なる観光地ではなく、今も人々が暮らしを営む「生きている街」である証拠です。
また、街角で見かける古い郵便ポストや、職人技が光る格子の隙間から漏れる光など、カメラのシャッターを切りたくなる瞬間が至る所に散りばめられています。

有名スポットを効率よく巡るのも良いですが、あえて目的を決めずに「自分だけのレトロ」を探して路地裏をさまよう。
そんな自由な歩き方こそ、佐原という街にはよく似合います。
心が洗われるパワースポット「香取神宮」へ
佐原の街歩きを楽しんだ後は、少し足を伸ばして「香取神宮」を訪れることを強くおすすめします。
忠敬橋から循環バス(300円)で行くことが出来ます。
ここは、全国に約400社ある香取神社の総本社であり、茨城県の鹿島神宮とともに「東国三社」のひとつに数えられる格式高い神社です。
街中の情緒ある雰囲気とは一変し、鳥居をくぐるとそこには深い森に包まれた、凛とした空気が漂っています。

参道を歩くと、樹齢を重ねた巨木が空を覆い、自然の生命力に圧倒されます。
本殿の美しさはもちろんですが、境内の隅々まで行き届いた清らかな空気は、まさにパワースポットと呼ぶにふさわしいもの。
勝負事や開運のご利益で知られる香取神宮ですが、この深い緑の中に身を置くだけで、日々の疲れがスッと消えていくような不思議な感覚を覚えるはずです。
歴史ある街並みと、神秘的な森のコントラスト。
これこそが佐原観光をより深く、贅沢なものにしてくれる最高の締めくくりです。
まとめ:次の週末は「佐原」で決まり!
千葉県の小江戸・佐原を巡る旅、いかがでしたでしょうか?
川越のような賑やかな楽しさも魅力的ですが、佐原には「水郷の街ならではの静かな情緒」と、「今も人々の暮らしに溶け込む歴史」が息づいています。
- 五感で楽しむ散策: 運河を泳ぐ白鳥、柳の揺れる音、そして路地裏で見つけたレトロな看板。
- 歴史に触れる体験: 伊能忠敬の情熱に触れ、香取神宮の森で心を整える。
東京から日帰りでこれほどまでに濃密なタイムスリップ体験ができる場所は、そう多くありません。
カメラを片手にのんびりと歩けば、きっとあなただけの「お気に入りの風景」が見つかるはずです。
忙しい日常を少しだけ忘れて、ゆったりと流れる川の時間に身を任せてみませんか?
次の週末は、ぜひ小江戸・佐原へ足を運んでみてください。

