タイ(バンコク)の支店で駐在員をしているとき、年に数回社長の視察がありました。
日本の会議でしか会う機会がなかった社長とも、タイの支店に勤務するようになってからは、年に数回は会うようになりました。
日本の会議では「売上をあげるために◯◯◯をするぞ!」ですとか、「新規事業として◯◯◯を始めるぞ!」といったような話しかしていないイメージでした。他の社員に聞いても「社長は偉そうに話をする感じ」と言っていました。
初めてのタイ視察の際は非常に緊張したのを覚えています。しかし、実際は遊びに来ているだけで、日本の社長とは全く違っていました・・・
視察のはずが観光とゴルフのみ
初めてのタイ支店の視察には、日本から社長と総務部長、経理部長の3人が来ました。
空港までお迎えに行きましたが、会った瞬間に目がいったのは大きなゴルフバッグです。
3泊4日の予定で、最終日は午前中の便のはずだったと確認していました。詳しいスケジュールは事前に聞いていませんでしたが、2日間は会社で会議になるだろうと覚悟していたのですが。
タイのバンコクに着いた日は、ホテルに入り夕食に行っただけで終わりました。その場で、次の日の予定を聞いて驚いたのを覚えています。次の日(2日目)は朝からバンコク・アユタヤ観光のツアーに申込んであるとのこと。「朝ホテルに来て、一緒に行こう」と言われました。
社長命令ですので、断るわけにもいかずバンコク・アユタヤ観光にお供してきました。その日も夕食の場で次の日の予定を聞き驚きました。次の日(3日目)は朝からゴルフの予定が入っているとのこと。夕方支店に行くからと言われました。支店に来たのは6時くらいで、タイ人スタッフは残業となりました。
特に会議をするというわけでもなく、支店内を15分ほど見て回り視察終了。その日も夕食を一緒に食べタイ視察終了となりました。
最終日、ホテルから空港までお見送りに行きましたが、お土産を買ってないので、どこかで買いたいと言いだし、大変なことになりました。渋滞も考えると今すぐ空港に向かわないと間に合いません。最終的に空港で買ってもらうことで納得してもらいました。
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次の年も観光とゴルフで終了
2年目の視察も観光とゴルフで終了でした。来タイ者は社長・総務部長・経理部長・管理部長と一人増えていました。
観光は水上マーケット、ウィークエンド・マーケット、パタヤなどに行ったのを覚えています。
2日目は恒例のゴルフです。私も誘われましたが、全くやったことがなかったので、終わるまでクラブハウスで待っていました。
2年目は2回視察がありましたが、どちらも観光とゴルフで終了となりました。
1人で遊びにくる総務部長
2年目は総務部長が1人で来たこともあります。
メールで支店のパソコンについての質問が来たので、状況を説明しました。
すると、すぐに電話があり、「◯◯◯のソフトが入ってないのはマズイな〜」「仕方ないから俺が来月行くよ!」となりました。
確かに「◯◯◯のソフト」を全パソコンにインストールしていましたが、2時間くらい終了していました。それなのに3泊4日の予定でタイに来るところが図太いと思います。
2日以降、帰国するまで支店には1回も顔を出さず、1人でどこかに行っていました。
最終日、「俺が社長には、『どうにかインストール出来ました』と伝えておくから、そこのとこよろしくね!」と言われたのをはっきりと覚えています。
最後に
結局私がタイに駐在していた8年間、毎年社長の視察がありました。時には総務部長だけの時や経理部長と営業部門の課長が一緒に来る時もありました。その他にも営業の成績が良い社員が3人で来ることもありました。
名目は視察ですが、ほぼ全て観光やゴルフで終了となりました。日本の本社や支店では経費について厳しい取り決めのある会社でしたが、海外出張者に対してはゆるゆるの会社だと知りました。まあ、海外出張出来るのは幹部社員と成績優秀な社員だけですが。
日本で勤務している社員は、社長や幹部が海外で羽根を伸ばしていることを知りません。海外出張費(観光・ゴルフ)を節約することで、もう少し日本の各部署に経費を回せるのではないかと思いました。
しかし、当時の雇われの身では何も言えませんでしたが・・・。